「休日ダイヤ」

妹が、昨日の晩から全身布団にくるまって、微動だにしない。
身体はぴんと伸びていて、頭の先から足の先まで、すっぽり完全に布団で覆っている。全く動きもせず、その姿はまるで現代に残存した「ミイラ」のようだ…。お母さんも少しびっくりした後に、失笑していた。
普段ならば「その寝相!」「アンタ、そこまで肌を露出していいの?!」というワイルドな寝姿の彼女だ(参考:http://d.hatena.ne.jp/kanango/20060908/1157674509http://d.hatena.ne.jp/kanango/20071007/1191852776)。だから、かえって妙で、面白さを通り越して、少し心配をもしてしまう。頑なに頭から布団をかぶって、何か嫌なことでもあったのではないか。帰ってきてすぐ寝たみたいだから、彼氏とケンカでもしたのだろうか。なんて、余計なお世話だよというレベルの深読みが頭を駆けめぐる。

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そういえば昨日、家に帰ってきた妹は、新しいメガネをかけていた。「あれ、新しいの買ったんだ」、という普通の返しで止まらずに、四角い黒縁メガネを見た私は、「何だかキリンジのお兄ちゃんみたいね!」と、余計なことまで言ってしまった。いつも通りの反応を期待していたのだが、妹はあまり話したい気分ではなかったようで、薄く笑われただけで会話は終わってしまった。
割とフリフリ目な、女の子らしい服装が好みの彼女にとって、私の言葉は本意ではなかったに違いない。元気のなさそうな時に嫌なこと言ってしまってごめんね、私はなんて空気読めない自分勝手なヤツなのだろうか…と、私はベットの中で一人、今度は「お兄ちゃん」の方に失礼だろうという、過剰なまでのザンゲをした。

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そんな流れで、少し心配をしながら朝まで過ごした私だが、その後目覚めた妹は、見た限りノーマルな精神状態であった。ホッと一安心はしたものの、一晩寝て落ち着いただけかもな、なんて様子を伺うべく、朝の姿を話してみる。「あんた、朝、ミイラみたいで面白かったよ」。
落ち込んだ時の意識的な行動だっだとしたら、「ああ、そうね…」なんて薄い反応しかないだろう、と思った。しかし、実際の彼女の反応といえば、「ええー何それ!」「ミイラ!」「あっはっはっはっは!」。エビのように丸まって腹を抱えるほど、自分の寝姿の話に一人ウケていたのだった。
一人で変な心配して、私ってバカだな…、とも強く思ったけれど、全く意図せずにあの寝姿になっていた妹にも、驚きを隠せない。面白い寝姿はやはり健在であった、そんな秋の休日。写真を撮っておけば良かったな。お母さんもコーヒーを吹いて思い出し笑いしてしまうほどの姿だったのである。

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軽く書くはずが、何だか長くなってしまった。昔も妹の寝相について書いたなぁ、と、自分のブログを「妹」で検索してみたら、ちょっと面白い。妹の破天荒ぶりと、「妹の物は姉の物」という私の理不尽なジャアニズムに溢れている。妹を知る人がいれば、見てみてください()。