「晴れ着を着てかしわで打てば」

明けてしまった!今年もよろしくお願いします。

今年もとりあえず家族で初詣へ。近所の神社だけれど、過去最高に人が並んでいてびっくり。みんな神頼みがしたくなるほど大変な状況なのだろうか。それともみんな何か見えない力に目覚めたのであろうか。
一つ前に並んでいた男の子が可愛くて、30分の待ち時間も何のその。しかし、ただひたすらに寒い。でも途中で帰るのも罰当たりな気がしたので、順番が来るまで黙って並びました。

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太陽暦で数える自然のリズムでいえば、まだ11月も半ばとのこと。確かに、新しいスタートに向けて焦って走り出そうとしているような、そんな状態に近い。
去年は閉じていたものが少しだけ「開いた」年、とでも言おうか。苦しさの源をガシンガシンと打ち砕いて、そこへ愛するもの大好きなものを注入していくという作業を、アホらしいほど意識的に行った一年であった。最初は自分の置かれた状況に対する嫌悪感から行ったことだったけれど、自然に気の向く方へと生きてみていいのかもなぁ、そうあらば案外望んだ通りの世界が繰り広げられるものなのかもなぁ、と感じてからは、少しそのプロセスを楽しめるようになった。気がする。
気負わずに、でも気を抜かずに、毎日真摯に生きていくこと。本当にそれだけだ。

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年末にかけて、メトロ文庫(札幌の地下鉄に設置してある無料貸出文庫)にあった林真理子のコスメティックを読んだ。

コスメティック(小学館文庫)

コスメティック(小学館文庫)

化粧品業界だとか出版業界だとかの様子を垣間見ることもできて、興味津々で読み進める(誇張はあるだろうけれど、人間臭くて恐い世界に思えたなぁ)。「キャリア」「人間関係」「女性としての人生」の間で揺れ動く主人公の心理描写がリアルすぎる。自分が同じ立場だったらどうするか、なんて感情移入しながら読んでしまう。上手く立ち回る自信もないし、結局主人公と同じような生き方になってしまうのかななんて思うと、何だかどっと疲れた。こういう大人の女性の欲を描写させたら、林真理子の右に出る者はいない?!、のではないかなぁ。
相手を値踏みして付き合い方を決めたり、業界人特有の高いプライドを上手いこと利用したりと…私はもっとシンプルに素直に生きていきたいけれど。社会を歩む上では甘い考えかしらん。
予想外にも、自分の信条やら望む生き方やらが違う方向へあることを再確認させられた一冊なのであった。