「History」

「今日のテレビは三つも面白そうなのがあるんだよなー」「鳥人間とタイムショックぴったんこカンカン!迷うわー」。
85才のうちのじいさんが楽しそうに話していた。私も早く歳を取ってしまいたい、そう思った(笑)。

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元気で脳天気気味(失礼!)なじいさんだが、なかなか波瀾万丈な人生を送ってきた人だ。
7人兄弟の末子として生まれたじいさんは幼少期に他の家庭に預けられ、16才で中国の戦地へ出兵。21才で終戦を迎えるも、そのままソ連軍の捕虜となり、4年間シベリア(アフガニスタン)に抑留。無事に帰国した後、しばらくしてばあさんと結婚し、私のお母さんを産み育て、現在に至る…。
退職後、60才から書道を始め(「始めた当時はトンデモなく下手だった」とは失礼な父の談)、毎日練習し続けて師範免許を獲得していたり(今は普通の人には解読不能な文字を書いている)、町内会やら老人会やら開催されるものがあれば顔を出して、積極的に出歩いていたり…。
経歴を見たりその行動力を考えると、尊敬に値する人だよなと思うのだが、当の本人がどうも軽いノリすぎるため、家庭内でも改まって敬おうという雰囲気が全く漂わないのであった。

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最近さすがにヨボって来ているじいさんだが、健康(不健康?)列伝もかなりある。

  • 長年のヘビースモーキングがたたって肺機能が低下し、数年前から酸素ボンベを背負った不自由な生活を強いられているじいさん。最近のタバコ増税のニュースを見て、「そんなに身体に悪いモノ売らなきゃイイのにな!かーっかっかっかっか!」、と人ごとのように笑い上げていた。家族みんなが、「一番の被害者はアンタじゃないのか」と心の中でツッコミを入れた。
  • 80才で大腸ガン発見、開腹手術を受ける。「トシもトシだし、もうここまでか?!」と思いきや、術後三日で無理矢理に散歩復帰(先生に怒られていた)。「二週間で退院するさ」、と言っていたが、「ヒマそうだし元気そうだからもういいよ」と一週間で家に戻される。
  • トイレで倒れ、慌てて救急隊を呼ぶ!息も上がってこれは危ない!しかし意識を取り戻したじいさんは「明日通院予定日だし、大丈夫」、とそのまま救急隊を帰してしまう。その後話を聞けば、「ああ、あれから一週間病院行かなかった」。嘘をついたらしい。今もぴんぴんしている。

破天荒な人だけど愛らしい。

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ちなみに、じいさんが一番可愛がっている孫は、このわたしだ。どうみても妹の方が愛されキャラなのに、わたしは上記のように酷い扱いをしているのに、一体何を気に入ってくれているのか、これまた謎である。
もう少し態度を改めておくべきだな、わたし。